自責思考:発生した課題・問題の責任は自分にあるとして、改善できる点を探す姿勢のこと。
自責思考は、仕事をして成果を出そうとする上では便利。
仕事と自責思考
仕事で「〇〇が悪かったんですー、自分は悪くないです」なんて言えない。それは仕事ではない。
「〇〇が悪いと気づけなかった自分が悪いです」と捉えれば、「気づくために▲▲します」と再発防止・改善につなげられる。
仕事をする上では常に自責思考を使うべき。仕事を自分でコントロール・改善することができるし、自分でコントロールできる点を見つけて改善を繰り返すのは大変楽しく、仕事がどんどん楽しくなる。
自己啓発本と自責思考
仕事術やマインドを説く自己啓発本。この基本スタンスも自責思考である。
変えられない環境に文句を言ってはいけない。自分でコントロールできるところだけなんとかする。色々自己啓発本を読んだが、多くの本で思想が共通している。
自責思考を表した最もわかりやすい言葉は、デール・カーネギー(たしか道は開ける)でも紹介されていたニーバーの祈りだと思う。
コントロール可能なものを見つけ、環境に文句を言わず、できることだけやる。シンプルでわかりやすい。
神よ、変えることのできないものを静穏に受け入れる力を与えてください。
Wikipedia・ニーバーの祈りより
変えるべきものを変える勇気を、
そして、変えられないものと変えるべきものを区別する賢さを与えてください
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%81%AE%E7%A5%88%E3%82%8A
もしくは、嫌われる勇気の続編・幸せになる勇気で紹介されていた三角柱の例え話。
作中のカウンセラー:哲人は、”嫌なあの人・かわいそうな私・これからどうするか”とそれぞれの面に書かれた三角柱を取り出し、「相談者から悩みを聞くとき、”嫌なあの人・かわいそうな私”については全て聞き流す。”これからどうするか”だけを考える」と語る。(すごいカウンセラーだ)
読んだ当時は自責思考について知らなかったけれど、今思い返すとこの三角柱の例えは、「環境に文句を言わずに自分の改善点・行動だけに注目・改善する」という自責思考そのものだ。
自責思考のデメリット
多くの書籍で紹介されている自責思考は、「環境や与えられたものに文句を言わず、自分の力で自分を改善しながら、仕事を頑張ってやっていこう!」という、社会人として非常に望ましいスタイルだ。
しかし一つ落とし穴がある。
「自分の失敗は自分の責任で、自分の力で改善できるはず」という前向きな思想。
これを今失敗している・うまくいっていない他人に適用すると、「お前が失敗しているのはお前の責任、改善しないのはお前の怠惰」と、厳しすぎるを通り越した毒の強い思想になってしまう。
例:ケーキの切れない非行少年たち
少年院の少年たちを精神科医の視点で見るベストセラー:ケーキの切れない非行少年たちでは、彼らの属性の傾向が書かれている。
ざっくりまとめると、知的障害・発達障害・それに伴って学校にいられない・家庭環境の問題など、そもそも本人の努力でコントロールできない要素で非行少年になっている。
彼らの失敗は、彼らの責任ではない。
例:遺伝と環境
橘玲の本(運は遺伝するほか多数)や、実力も運のうちなどでも取り扱われているが、能力は遺伝する。
IQ・容姿・社会で重視される数字な処理能力・論理的な思考能力・コミュニケーション能力・外向性・内向性・リスクを取ろうとできるか・努力できるか、どれも遺伝要素が絡む。
能力には環境要素も絡む。親の経済環境で教育環境の質が変わり、最終学歴や大学のレベルで本人の社会的地位や積める経験が変わる。
失敗している人がいたとしても、その人の責任による失敗とは言えない。
ここまで書いてみて
書き始めた当初、「自己責任論は自分に適用する分には前向きな考えだが、それを他人の失敗に適用すると厳しすぎる考えになるので気をつけよう」という結論に持っていこうとしていた。
しかしここまで書いてみて、失敗が自分の責任ではないという思想は、なんて残酷な考え方なんだろうと思った。
だって、失敗が自分の責任であれば改善できるのだ。自分が悪かったと認めるのはちょっと辛いけど、認めるだけで改善への一歩が踏み出せる。
例えば仕事がうまく行かない人がいるとする。仕事が辛い。会社が辛い。生まれもった能力がどうしても足りず、努力しても仕事がうまくいかない。これは遺伝や環境のせいだ。自分のせいじゃない。
他責思考だとここで終わる。他人が悪い、生まれが悪い、運と環境と社会が悪い。だから自分は悪くない、うまく行かないのは仕方ない。
他責にして、自分に責任がないと言うのは楽だ。でも、この考え方だといつまでたっても自分が辛いままで改善しない。
自責思考にするだけですべて解決する。
変えられないものは変えられない。環境に文句を言っている自分が悪い。変えられる要素を探せば改善する。合わない仕事をしている自分が悪い。配置換えや仕事の内容の変更を申し出よう。それができないなら転職すればいい。全ての責任は自分の適正に合わない仕事を選んだ自分にある。だから今すぐ改善できる。
たったこれだけだ。自責思考は厳しいようで、「自分の力で人生は変えられる」という前向きな思想だし、他責思考は「あなたは悪くない」と優しいようで、「あなたにはどうにもできない」と暗に諦めを促す思想である。
自分はどうするか
自責思考ベースで動く。他人に自責思考を適用するかどうかは自分の自由だが、それを角が立たないように口に出すのは高いスキルが求められることを理解する。
とりあえず、他人の批判になりそうな表現は口にしないよう注意すること。
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